UVERworld

圧巻のパフォーマンス!UVERworldの“本気の向こう側”

8/5 SUNMAISHIMA STAGE

間違いなく、これから何かが起こる。そんな期待感とヒリついた緊張感が渦巻く、異様な空気が漂っていたMAISHIMA STAGE。UVERworldが登場すると、ギリギリの状態でバランスを保っていたムードが一気に弾け、1曲目『DECIDED』からなりふり構わぬ観客の爆踊りが当たり一面を揺らす最高潮からの幕開けに。そう、さっそく最高潮だった。全く過言ではないぐらいの熱量がのっけから。ではその後は、最高潮が持続したのかといえばそうではなく、“最最高潮”、“最最最高潮”、“最最最最高潮”とありもしない幼稚な言葉を並べたくなるほど、毎分、毎秒、バンドが限界突破しながら最高の瞬間を更新していくステージに痺れてしまった。ビリビリきたというか、最初はビビった人も多かったと思う。真太郎(drs)、 信人(ba)のとにかく分厚く、重たいリズムに、克哉(gt)、 彰(gt&programming)、 誠果(sax&Manipulator)のセンセーショナルなサウンドのスケールに圧倒され、“やべぇ…”って。

だけど、次の瞬間にはバンドに身と心を委ねていた。音を浴びた瞬間、周りの目だとか自分自身をセーブしている様々な雑念から一気に解放され、気づけば高ぶる鼓動と衝動のままに踊っている自分がいた。それはきっと、楽曲のエネルギーがそうさせているだけでなく、TAKUYA∞(vo)が歌を通して伝えるメッセージに…、そして『ナノ・セカンド』、『WE ARE GO』と隣のYUMESHIMA STAGEまで乗り込むほど、縦横無尽にステージを駆け巡り歌う前のめりな彼の姿に、心突き動かされたからだろう。この舞洲にいるすべての人を巻き込み、今までにない特別な日にするという並々ならぬ気概がビシビシと伝わってきた。バンドを知ってる人もそうじゃない人も、根こそぎ巻き込むという想いは、「新しい俺たちで勝負しようと思います!」と最新シングル『ODD FUTURE』を披露した場面でも強く表れていた。

また、曲とリンクしたTAKUYA∞(vo)のMCから、演奏に移り変わる瞬間が堪らなくゾクゾクする。「ぶっちぎりで、あなたの夏フェスで思い出に残ったパフォーマンス第1位を記録したいと思います。できるか、できないかなんか分かんねえよ。そんなこと分かってるよ!全部やって確かめればいいんだよ!」と叫んで、“全部やって確かめりゃいいだろう”と繰り返し歌う『PRAYING RUN』。昨年生まれたばかりの新しいフェス『ジャイガ』への想いから、「18年バンドやってて、フェスに出れるようになったのは、15年目ぐらいかな。ずっと出たいと願ってきて、あんたたちみたいに色々なフェスに行ったりしました。ずっと願ってきて、18年経った今では、ばこばこフェスに出させてもらっています。あなたは、どんなステージに立ちたい?お前は、どんなステージに立ちたい?君は、どんな世界に飛び込みたい?立ちたい場所があって、飛び込む一歩が踏み出せない人へ。今の俺たちを見て、楽しそうだなと思ってくれたなら、一歩踏み出してほしい。俺たちも昔は、あなたたちと同じ場所にいた…!」となだれ込んだ『Q.E.D.』。バンドがまだ何者でもなかった駆け出しの頃から、この日まで挑戦を重ね、実現してきたリアルさがあるからこそ、説得力のあるMCと楽曲のメッセージ性に胸を打たれる。

終盤では、「UVERworldの“本気の向こう側”を見せます!衝撃的一体感!たった今か数分間、俺たちの世界の中心は、東京でもニューヨークでもなく。ここ、『ジャイガ』のステージだ!」と、『零HERE~SE~』から『IMPACT』へ繋ぐブチ上げ展開に。そして、「誰が聴いてもストイックに真っ直ぐ届く曲を届けたい」と、未発表の新曲『EDENへ』でメンバー全員&見渡す限りの観客が手を挙げる壮観な光景へと誘っていった。最後に、「お前らがいたら何も怖くない。また日本のどこかで、またこの『ジャイガ』で会いましょう!」と、締めくくった。UVERworldの百戦錬磨の無敵感は、18年積み重ね背負ってきた経験と想い、そして観客の支えが裏付けしたものなんだろうと改めて感じた。そして彼らのライブを食らって、無敵になったような、強い気持ちを持った新しい自分に出会えた。それほどまでに刺激的な体験ができたことを、誇らしく思います。

Writer:大西健斗、Photo:日吉“jp”純平