04 Limited Sazabys

酷暑も砂埃も全てを吹き飛ばすメロディアスの凄み。

8/5 SUNMAISHIMA STAGE

リハから大盛り上がりで、後は本番を迎えるだけの04limited Sazabys。登場SEでかっこよく登場するはずが、まさかのSEが途中で止まってしまう事態に! メンバーと観客の手拍子により、再び登場SEが鳴り出すという始まるまでに充分にドラマチックかつ楽しい展開であり、既に、その時点で砂埃が起きていたのにも驚いた。まぁ、彼らへの期待の現われなのだろう。もちろん、観客エリアはミッチリ詰まっている。

「My Hero」の語りかけるようなメロディアスさは、ただただ盛り上げて躍らせて騒がせるだけではない楽曲の良さを再認識させられた。「Warp」では、観客エリア後方でご飯を食べながら移動してる観客も手を上げて、曲に反応している。完全に楽曲の良さが伝わっている具体例に、こちらも感心してしまう。

GEN(Vo.Ba)はMCで昨年も出演したことを話し、去年は日本一長かった夏フェス名(GEN調べ)が、今年は日本で一番短いフェス名(GEN調べ)になったと明かし、その上で「『ジャイガ』って何だ?!」と茶目っ気たっぷりにいじる。そんな茶目っ気を見せたかと思えば、「こんな暑い中、遊んでくれてありがとう。みんな助け合った上で暴れよう! 去年もあった、あの頃の気持ちを思い出して!」と語りかけ、「Remember」へ。

「me?」ではギターのリズムカッティングが気持ちよく決まり、和の感じさせるメロディーが懐かしくもあり、その触れ幅に驚く。「真昼間ですけど!」と前置きされた上で、「midnight cruising」を。その後もステージにいたセミがステージ前のセキュリティーさんの背中に約1曲分止まっていた話や、昨夜ホテルにマッサージを呼んだ時の細かい描写など、本当にMCで一気に茶目っ気たっぷりの砕けた雰囲気を作るのが、とてもGENは上手い。そこから真面目に「みんなが普段何をやってるか知らないですが、日常のつまらない時間を削除してください。爆音でぶち壊すので洗い流してください。考えすぎて考えすぎて自分がわからなくなってるあなたに捧げます!」と「Squall」が捧げられた。観客エリア後方では気持ちよさそうに頭から水を浴びて聴き入っている観客の姿も。最初から最後まで砂埃は起きていたものの、ちゃんと抜けの茶目っ気たっぷりなMCもあり、誠実に伝えたいメッセージもあり、どれだけ酷暑であろうと最後まで見入ってしまうステージング。何よりもメロディアスな曲の良さが、やはり最後まで残っている。

Writer:鈴木淳史、Photo:日吉“jp”純平