LONGMAN

おかえり、LONGMAN! 3人が誓う再スタートに最上級の祝辞を

8/5 SUNYUMESHIMA STAGE

体感温度が40°を超えた昼下がり。容赦なく照りつける太陽に体力をじりじりと削られる中、YUMESHIMA STAGE前にはこれから登場する主人公たちを待ちわびるオーディエンスが集まる。SEをバックに強烈な日差しを跳ね返しながら飛び出てきたのは、四国・愛媛発の男女ツインボーカルメロディックパンクバンド、LONGMAN。ベースヴォーカルを務めるさわの喉の不調によるライブ活動一時休止から約1年、彼らは再びステージの上に戻ってきたのだ。

弾けんばかりの再会の喜びを『Opening』で一気に放出し、「はじまるよっ!」(さわ)と『IN THIS WAY』が届けられる。葛藤を抱え、自分自身にさえ翻弄されながらも今を見つめ歩き出す心境を描いており、その中の“見えてきたもの1つずつここに置いて また皆で踊ろうか”という一節には、この再スタートの意味がリンクするものがあるだろう。そして負けじと観客もスカダンスを踊ったり、思い思いにリズムに身体を乗せてゆく。「やって来ました、ジャイガ―!! 踊れますかー?」(ひらい・g&vo)のシャウトとともに『Hole up』が始まり、ほりほり(ds)の掛け声に呼応しながら暑さを忘れて踊るオーディエンス。

MCに入るとすかさず客席から「おかえりー!!」の声があちこちから挙がり、さわもどこか照れくさそうに「ただいま」と返事をしつつ、
「私たち昨日もここに遊びに来てたんですけど、気付いたことが1つあります!ドラムのほりほりの横にいたら蚊に刺されません!」(さわ)
「誰が虫よけスプレーや!」(ほりほり)
「この後、物販に置いときます。50円や!」(ひらい)
と、まさかのほりほり叩き売り!(笑)。そんな仲良し3人組の個性が光る『Back Home』で会場をさらに盛り上げ、「新曲だから皆気使ってね! 飛べって言ったら飛んでね! いけるかジャイガー!!」と、気合十分なひらいのシャウトで放たれた『WALKING』では、言葉通り「飛べー!!」の合図で皆がジャンプし、彼ららしいステージングでどんどん会場を巻き込んでゆく。続く『Excuse』では、復活したさわが実に嬉しそうにステージ上を飛び跳ね、動き回る姿に、ついついこちらも笑顔がこぼれてしまう。

ここで改めて、さわが先月に復活したことにMCで触れ、ひらいの「お陰様で今まで以上にバンドを楽しくやらせてもらってます。ありがとうございます!」という言葉に、全て受け止めるあたたかな拍手が客席から贈られる。3人の再スタート、これからも彼らの素晴らしい音楽を鳴らし続けることを宣言し、『Slowly』で力強く歌い上げ、初音源から歌い続けられている『1919』というどこまでもファンにとって嬉しいラインナップでラストを飾った。
ちなみに本日、ドラムス・ほりほりが着ていたのはポンジュースTシャツだったことをここに記しておく(笑)。そんな地元愛溢れる彼らのこれからに大いに期待しながら、今回は客席と一緒になって声を大にして伝えたい。
“おかえりなさい、LONGMAN!”

Writer:松川沙織、Photo:森好弘