[8.3 sat] 屈強のアクトたちがGIGANTIC STAGEで繰り広げた、『ジャイガ』愛に溢れたライブ!

今年のGIGANTIC STAGEの幕開けを飾ったのは、新たな試みとして創設されたダンスショーケース、『GIGA DREAM PROJECT』。一昨年、社会現象を巻き起こした大阪府立登美丘高校ダンス部の“バブリーダンス”の生みの親、人気振付師akane(アカネキカク)のプロデュースのもと、ダンス未経験者を含む7~44歳までの男女混合のメンバーがステージに大集結。Maroon 5の『Lucky Strike』に乗って、アグレッシブに舞い踊る様は壮観! オーディエンスからもあたたかい拍手で迎えられたオープニングとなった。

photo by 日吉”JP”純平

そして、いよいよ登場したトップバッターは、『ジャイガ』には3年連続出演の皆勤賞となるKEYTALK! カラフルな衣装を身にまとった4人が、まだSEが流れている段階から会場を大いに盛り上げ、鉄板のライブアンセムを連発!! 「最高ですねやっぱり」とビールを片手に満足げに語る巨匠・寺中(vo&g)が、「水を飲んで、この最高の空気に飲まれて、最後まで楽しんでいってください!」と告げれば、首藤(vo&b)バキバキのスラップが冴えわたる『MATSURI BAYASHI』を奏で、小野(g)も広いステージを縦横無尽に駆け巡る。「『ジャイガ』の雰囲気にピッタリな、な新曲を持ってきました!」(首藤)と披露した『ララ・ラプソディー』といい、彼らがロックフェスに求められる理由を証明していくかのような、充実のパフォーマンスが続く。MCでも「鉛筆を舐め(てその濃さが分か)るベースボーカルがいるバンド、KEYTALKです!(笑)」(寺中)、「それでファンがちょっと減りました!(笑)」(首藤)と場を沸かせ、クライマックスの『MONSTER DANCE』『Summer Venus』の2連発では、小野がステージを降り隣のEPOCH STAGEに移動するなど、もうやりたい放題! 最後まで徹底的にオーディエンスを楽しませたKEYTALKのステージだった。

photo by日吉”JP”純平

 

PassCodeがついにメインステージに! 昨年よりステップアップして『ジャイガ』に帰還した漆黒の4人は、GIGANTIC STAGEに突き刺さる日差しの中で、強烈なヘヴィサウンドを背に、『Taking you out』『ONE STEP BEYOND』『DIVE INTO THE LIGHT』『Tonight』と息も切らせぬ怒涛の展開で駆け抜け、キュートでクールな佇まいとは裏腹の熱さで魅せていく。MCでは、「初めて観る人も、いつも観てくれている人も、今日が一番、最新が最高の場所にしたい。『ジャイガ』、呼んでくれてありがとう! いつか必ず恩返しをします!!」(南、以下同)と想いを告げ、後半戦では『It ‘s you』『Ray』『MISS UNLIMITED』と、並み居るロックバンドたちにまるで退けを取らないスクリーモとパフォーマンスを披露。最後の曲前に「人生は懸けみたいなものだから、勝ったり負けたりしながら前に進んでいくと思ってる…」と話したところで言い淀んでしまったものの、瞬時に「1本1本、本気で戦って、本気で勝ちにいってます。皆さんと一緒に勝ちにいっていいですか!?」とブチ上げ、ラストに放ったのは『一か八か』! もらったチャンスに食らいつくような気迫を感じるステージは、「絶対にまた会いましょう!」という言葉が、近い未来に叶うことを確信させてくれた。

photo by日吉”JP”純平

 

ELLEGARDENの生形真一(g)、ストレイテナーの日向秀和(b)、FULLARMORの大喜多崇規(ds)、ABSTRACT MASHの村松拓(vo&g)らによる最強ロックバンド、Nothing’s Carved In Stoneが『ジャイガ』に初登場! 『Isolation』の最初の一音から鳥肌が立つような問答無用の音魂と、ステージ上でせめぎ合う4人のヒリヒリするようなバンドサウンドをオーディエンスに浴びせかけ、「今日は楽しみにしてたんだ、みんな来てくれてありがとうよ! 最高の1日にしようぜ~踊れ!!」(村松、以下同)と、NCIS流のダンスビート『Out of Control』をブチかますなど、惜しみなく名曲群を披露していく。「NCISは今年で11年目、こういうフェスに出させてもらうことも慣れてきました。でも、そこに初期衝動をもって、いつでも1年目のつもりでやってます。今日は最高のバンドたちが出てる最高のフェスだけど、埋もれるつもりもないし、俺たちが思うカッコいいロックンロールを鳴らしていくんで!」。最後のダメ押しの『Sprit Inspiration』『November 15th』の2連発まで、灼熱のGIGANTIC STAGEを終始フルドライブさせるような、NCISの凄まじいライブだった。

photo by日吉”JP”純平

 

日本が世界に誇るスカパンクの雄、KEMURI。『ジャイガ』初出演のレジェンドの小気味いいビートとカッティングに揺れながら、とにかく理屈抜きに楽しい『Mr. Smiling』では、オーディエンスのタオルも回る回る! MCでは、「ずいぶん海の近くにあるんだね」とステージから遠くを眺める伊藤ふみお(vo)が、「横にはlocofrankもいるし(笑)」(伊藤、以下同)と、隣のEPOCH STAGEでサウンドチェック中の3人に目線を送るワンシーンも。そして、「こうやって初めての人に観てもらえて、好きな音楽をやれるだけでめちゃイイ感じ。やりたいことをやれるときも、やれないときもあるけど、そういう朝を始めるときの曲を」と歌い出した『I BEGIN』では、会場から自ずとWOW~♪と声が上がる。「もうちょっと踊れる!?」と放った代表曲『PMA(Positive Mental Attitude)』といい、初見でもとことん楽しめるのは、KEMURIのライブならでは。「最高だね! バンドを代表して“ありがとう”って伝えたいです。またどこかで会えることを楽しみに」と突入した終盤でも、パンダの着ぐるみ姿のオーディエンスをステージに上げ肩を組み歌うなど(笑)、この日一番のキャリアながら、いつだってハッピーで貪欲なステージを見せてくれた、KEMURI最高!

photo by日吉”JP”純平

 

あの20世紀FOXのテーマのファンファーレが流れる中、スマホで客席を撮影しながら登場したのは、これまた今年が『ジャイガ』初出演となるDef Tech! 赤=Shenと青=Microのアロハシャツを着た2人が、各々ウクレレとミニギターを手にし『High On Life』を歌うその姿…“舞洲×Def Tech”がハマりまくりで、促さずともオーディエンスが思わず手を振る光景が生まれる。ここでステージ中央で2人が向かい合うと、耳慣れたあのフレーズが…! 日差しも弱まり海風が吹く夕暮れどきに、彼らのメガヒット曲『My Way』を聴けるとは、何とも至福。続く『Catch The Wave』といい、チルアウトでトリッピーなシチュエーションで、多くを語らず、とにかくグッドミュージックを立て続けに放っていく2人だったが、ここでMicroが「今、分かった。なぜ俺たちが呼ばれたのか。しかもなぜこの時間帯なのか。熱中症対策、塩分補給みたいなもんなんだ(笑)」と微笑む。その後も溶け合いながらもそれぞれの存在感をなくさない2人の歌声に、身を委ね続けて迎えた最高のエンディング。最後に彼らに贈られた心からの拍手が、『ジャイガ』のオーディエンスからの何よりの答えだろう。

photo by日吉”JP”純平

 

舞洲に夜が訪れ、ステージに登場するや大歓声で迎えられたのが、2年連続出演のUVERworld。「ここがこの夏一発目のフェス。最高を想像してたよ。でも、それよりヤバいところに行こうぜ!」(vo&prog・TAKUYA∞、以下同)と煽れば、一気に会場のテンションは沸点に。「やるしかないよ。“UVERwolrdが一番印象に残ってる”って言わせなくて、フェスに出る意味なんかあるかよ!」という咆哮とともに放った『PRAYING RUN』では、ビジョンにリアルタイムで映し出されるMVばりの完成度の映像が、歌詞が、歌と一体となって観る者を奮い立たせる。再三オーディエンスとゼロ距離のモッシュピットへと飛び込み、最終的には隣のEPOCH STAGEにまで駆け抜けドラムをブッ叩くTAKUYA∞(笑)。この日一番の一体感を何度も更新しながら、「去年に引き続き出させてもらえて最高でした。やり残したくないんだよ何1つ! 今日よりもほんの少し理想の自分に、『ジャイガ』を通してなれますように。そして、これからはUVERworldともっと会う時間をください。だから今日はきっと“はじまり”です」と、最後に『φ choir』を。キャリアを重ねても全身全霊で獲りにいくUVERworldが生んだ素晴らしき絶景、ここにあり!

photo by 日吉“JP”純平

 

初日のトリを担うのは、3年連続出演を果たし『ジャイガ』の変遷を見続けてきた、BLUE ENCOUNTだ。ド頭から4人の気合が伝わるハイボルテージなライブで、泣きのメロディ×疾走感というブルエンの黄金配合とシンクロする照明が夜空に映える。「今年もまたここに戻ってこれました。ここからみんなの顔がよく見えるんだけど、今日は相当楽しかったんだね(笑)。カッコいい新曲ができたから、歌ってもいいですか!?」(vo&g・田邊、以下同)と披露した、ドラマ『ボイス 110緊急指令室』主題歌の『バッドパラドックス』では、「すごい景色を見せてくれよ大阪!」という言葉に呼応するように、GIGANTIC STAGEに詰めかけたオーディエンスがジャンプ! 「何百回と歌ってきた歌だけど、数とか場所とかは関係ない。今日あなたと一緒に歌いたいんだよ」と呼びかけた『もっと光を』の大合唱も、本当に感動的な光景だった。「幸せでした、ありがとうございました。チューニングはズレてるかもしれないけど、(胸を叩き)ここはズレない歌を歌うから」と最後に届けた『アンコール』まで、徹底的に1対1で呼びかけるブルエンが、初の大トリのステージで『ジャイガ』に忘れられない歴史を刻んでくれた。

photo by 日吉”JP”純平 松本いづみ

 

 

Text by 奥“ボウイ”昌史