LAID BACK OCEAN

このままでは終われない…! LAID BACK OCEANの執念と音楽の奇跡

8/5 SUNYUMESHIMA STAGE

舞台には謎のマネキン、そして便器!?(笑) そんな独特のシチュエーションとSYUTO(p)のピアノの調べに耳を奪われていると、いつの間にかYAFUMI(vo)がステージ前のバリケード上を傘をさし綱渡り! そこで『ぬけがらの詩』を歌い上げるという、劇的なオープニングで幕を開けたLAID BACK OCEANのライブ。だが、いざSEIJI(ds)の強烈なビートがYUMESHIMA STAGEに響き渡ったかと思えば、ここで突然の機材トラブルが…。KAZUKI(g)、KYOHEI(b)、SEIJIがプレイを続けて何とか間をつなぐ中、YAFUMIが「予想通りにいかない人生でも、与えられた時間は決まってる。真夏の炎天下で、僕たちに何ができるのか!? 2018年夏、LAID BACK OCEANがここから始まります! 待たせたな大阪!!」と復活の『TOILET REVOLUTION』をぶちかます! 間髪入れずに、ワイルドなドラム×繊細なピアノ×狂暴なギターとベースが絡み合う『STANDING BACK』、「ぶっ飛ばしていけますか大阪! 合言葉はいつも『PUNK』!!」と、衝動をぶつけるように激しいステージングで訴えかけるYAFUMI。

そして、「生きてるといろんなことが起きるよ。でも、いつでも正しく行儀よく生きなくてもいい。隣の誰かを傷付けたりしなければね。ここはロックフェスの会場だろ? ちょっとばかしお行儀が悪くてもいいんじゃないの!? 俺を肩車できるヤツ!」とYAFUMIが呼びかけると、オーディエンスの1人がYAFUMIを乗せて観客のど真ん中へ。するとYAFUMIを中心に一気にサークルが出来上がり、その渦に引き寄せられるようにどんどん人が集まっていく…! その渦の中で『王と玉』を熱唱するや、数え切れない拳が上がる。そんな奇跡みたいな光景を見たYAFUMIが思わず、「お前ら最高だな!」と何度も口にする。“ライブはオーディエンスと作るもの”、そんな決まり文句が現実のものとして目の前で行われたとき、問答無用の感動が胸に押し寄せる。

「お前らのおかげで助かったよ!」とステージに戻ったYAFUMIだったが、猛烈な暑さと全身全霊のパフォーマンスでもうふらふら。それでも、ステージに這いつくばり、何かを掴むかのように天に手を伸ばせば、オーディエンスも自ずと手を伸ばす。命を燃やし尽くすように『Mr. Good Morning』を歌い切ったYAFUMIは、最後にこう語った。

「いろいろうまくいかなかったけど、みんなに助けてもらって、心に残る1日になりました。また力を付けて、絶対にリベンジしにここに返ってきます。LAID BACK OCEANを支えてくれて、本当にありがとうございました!」

パーフェクトなライブではなかったかもしれない。涙が出るほど悔しいライブだったかもしれない。だが、この日のLAID BACK OCEANのライブは、間違いなく観た者の人生を変えるそれだった。彼らのジャイガへの帰還を、心躍らせて待ちたい。

Writer:奥“ボウイ”昌史、Photo:森好弘