Shiggy Jr.

常夏の舞洲を清涼感と多幸感で満たし、会場が一つになった最高の1日の始まり

8/5 SUNYUMESHIMA STAGE

続々と観客が会場に集うYUMESHIMA STAGE。燦々と輝く太陽をスポットライトにしてステージに降り立ったのは、Shiggy Jr.だ。原田(g&vo)、森(b)、諸石(ds)、キーボード、マニュピレーターのサポートメンバー2名が次々と現れ、少し間をおいて真っ赤な衣装を身にまとった池田(vo)がスカートをふわりと翻しながら登場。オーディエンスの歓迎ムード満開のクラップに、ステージ上からも同様に満面の笑顔でクラップを贈り返し、彼らのメジャーデビュー曲『サマータイムラブ』からスタート。軽快なリズムに乗せながらも、切なく甘酸っぱい夏の恋を歌う池田のクリスタルボイスが体感温度を下げ、心地いい風のように会場を吹き抜けてゆく。「皆で楽しいことしようよー!」(池田)と叫ぶ声に、客席からはやる気満々の嬉しい反応が返ってくる。

「最後まで楽しんでいきましょう! 大阪今日は飛ばしてくよー!」(池田)と指差した空から『恋したらベイベー』が舞い降りる。軽快なステップを踏みながらステージを行き来する魅惑的であり、どこか可憐な少女性も持ち合わせた彼女の姿は、観客の視線を独り占め。挙げた手をそのままにクラップ&空を指差す振付も一緒に楽しむ客席に触発されたのか、森もリズムに合わせて飛び跳ねる姿も印象的だった。続く『LISTEN TO THE MUSIC』では、さらにハンズアップの波は大きくなり、盛り上がりは比例して熱を帯びてゆく。

曲間に森が「ジャイガ! ジャイガ! ジャイガ! ジャイガー!!」と、ありったけのジャイガコール&レスポンスを生み出した直後、うなるベース、歪むギター、全てをさらっていく諸石のドラミングで荒々しいスタートを切った『お手上げサイキクス』が投下される。サビでリフレインする“put your hands up”の声に合わせて手が、身体が躍り、舞洲全エリアをShiggy Jr.の音楽が包み込む素晴らしい絶景が生まれた。そうして迎えたラストの『Beat gose on』では“最高の笑顔でいようぜ 最高の1日にしようぜ”と、まさに今日のステージにぴったりのフレーズを歌い上げ、その気持ちに応えるように会場内のオーディエンスが大きく手を左右に揺らす。彼らが落としたいくつもの音楽は、いつしか大きく美しい波紋となり、灼熱の舞洲を清涼感と多幸感で満たしてくれた。

Writer:松川沙織、Photo:森好弘