2日間にわたる初開催ジャイガの大トリは、日本のポップスにR&B、ソウル、ファンクの血を流し込んだ先駆者である久保田利伸！　フェスやイベントではなかなかお目にかかれない生きる伝説の登場に、多数のオーディエンスがGIGANTIC STAGEへと詰めかける。リハーサルから、ギター、ベース、ドラム、シンセ×2、DJ、コーラス×3という大所帯バンドが鳴らす音がまるで別モノで、アイズレー・ブラザーズの『Summer Breeze』のSEに生音が溶け合っていくようなオープニングから、いきなり強烈グルーヴをぶち込んでくるド迫力！　そこにメロウなシンセの音色が流れたかと思えば、姿が見えない中聴こえてくる“あの歌声”…!!　いや～シャレにならないぐらい歌が上手い(笑)。

「舞洲に集うBeautiful People！　もうかりまっか!?」の久保田利伸のコールに、「ボチボチでんなー！」で応える大阪のFunky Peopleは分かってらっしゃる(笑)。そして、“まわれ まわれ メリーゴーランド”…と歌詞の一節が聴こえてくると、一気に沸き立つオーディエンス！　いきなりのミリオンヒット曲『LA・LA・LA LOVE SONG』に会場の隅々までがハンズアップする絶景、ネイティブ&ラグジュアリーなストールを身にまとい満月に照らされながら歌う姿には、神々しさすら感じる。

するとにわかに会場からどよめきが!?　3人だったはずのコーラスが4人に!?　視線の先に目をやると、いつの間にかステージにいたのは今話題のお笑い芸人、ゆりやんレトリィバァ！(笑)　「はじめまして、ナオミ・キャンベルです」と久保田に駆け寄りつつも(笑)、「呼んでいただけただけで光栄です」と熱い抱擁を交わし、ステージを去るゆりやん。

そして、MCでは4年前にここ舞洲で行った自身の野外ライブ2DAYSを振り返り、2日目の夜に雨が止み、雲が晴れた光景を感慨深そうに思い浮かべながら、「ここは奇跡の場所です！」と語る久保田。その後も、CM曲としてもおなじみの『Bring me up!』の極太グルーヴとド派手な照明にリフトアップされながら、「この場所に来ると特別に、どうしても歌いたくなります」と続けたのは、耳馴染みのあるあのメロディ…！　まさかの名曲『悲しい色やね』の披露は、まさに大阪ならでは、ジャイガならではのハイライトと言えるだろう。

さらに、クリスタルなシンセの音色が誘ったのは、ダメ押しの名バラード『Missing』！　惜しみなく投入される名曲の数々に、オーディエンスが思い思いに身体を揺らし聴き入る光景は、何ともロマンティック。一転、じっくりと聴かせた後は、再び『LOVE RAIN ～恋の雨～』でGIGANTIC STAGEをダンスフロアに！

そんな圧倒的な実力と才能が導いた最高のショーも、ついに終わりが来るのかと思ったそのとき、「まだ時間ある？」と久保田からオーディエンスに思わぬ提案が！

「業務連絡、RIP SLYME、まだ残ってますか!?」

このひと言には会場も大盛り上がり！　アンコールではスティーヴィー・ワンダーの『Another Star』に自らの『You were mine』をマッシュアップ、RIP SLYMEがフリースタイルで絡み合うという豪華極まりないエンディング!!　2日間にわたる夢の宴を締めくくる素晴らしいパフォーマンスで、初開催のジャイガは幕を閉じた。

Writer 奥“ボウイ”昌史、Photo 森 好弘