SUPERNOVA STAGEの大トリは、PHONO TONESとADAM at。その布陣は、猪股ヨウスケ (B)、伊地知潔 (Dr)、宮下広輔 (Pedal Steel)、飯塚純 (Key)のPHONO TONESと、固定メンバーのいないセッションバンド・ADAM atの5人。そう、彼らが奏でるのはインストゥルメンタルだ。

まずは「最後まで遊んでいきましょう！」(ADAM at)と、PHONO TONESの『Saturday 少林 Fever』でスタート。時にきらめき時にジャジーに揺らぐピアノの音色や小気味いいドラム、浮遊感あるスティール・ギターが織り成すこのダンスチューンに、いっきに舞台前はダンスフロアと化す。

会場が程よく温まり、鳴りだしたのは『Dr. Jekyll』。実は彼らは7月にスプリットアルバム2枚を発表しているのだが、この曲はその中の一つ。当然、初見の人も多いはずだが、曲の持つ人懐っこさでクラップを起こし早くも一体感が！

そして人懐っこいのは音楽だけはない。名言・迷言続出のMCは人々をスマイルにする。「インストバンドと言っても、陰湿なメンタルバンドではありません。(中略)楽しみ方は、お・は・しです…。お＝踊る、は＝拍手する・はしゃぐ、し＝知らない人に押し付ける…です」(ADAM at)と、こんな具合。

とは言え曲になればかっこいい。次の『MONOLITH』では各ソロパートもあり、うなるスティール・ギターや厚みのあるキーボードの音色で耳を奪い、くるくると展開する曲に合わせて気分も高まる。「踊れ！」(ADAM at)の煽りには、いつの間にか増えた観客全員が、気持ちよさげに体を揺らし、5人に向かって手を伸ばす。

そして、「おなごり惜しいですが、あと28曲。ぎゅっとしたら1曲に聴こえるかも(笑)」と、最後までサービス精神十分で、ラストはやはり新譜から『Mr. Hyde』を。もう煽られずとも自然発生的にクラップ。中毒性のあるリフレインが頭を駆け巡る。帰り道でも鳴り響きそうだ。

ADAM atいわく「(インストを)好きなったら知らない人より幸せになれるはず」とのこと。まさにPHONO TONESとADAM atを知って幸せになれた最後のSUPERNOVASTAGEとなった。

Writer 服田昌子、Photo HOSHINA OGAWA