「この暑さで淀んだ空気を私たちで変えよう、逆流をつくろう。」
盛大に開催された記念すべき第一回目の『ジャイガ』。
その幕開けとなったのは女性シンガーソングライターの日食なつこ。冒頭のセリフを皮切りに、一曲目の『水流のロック』が始まり、水滴が落ちるようにピアノが、ドラムが跳ねて踊る。
夏空を切り裂くように彼女の声が響き、その心地の良さは滝の流れのように倍増していく。二曲目の『ビッグバード』が始まり、大サビになると広大なステージ空間に彼女の澄み切った声が響き渡る。その表情はまさに日食された熱さを兼ね備えた太陽のように、その太陽を隠したような月のようにミステリアスで涼やかであった。

三曲目の『非売品少女』になると彼女の歌声に引き寄せられるかのように徐々に観客がSUPERNOVA STAGEに集まり、その歌声に耳を澄ます。
体を揺らしたり、指でリズムを取ったり、躍るようなkomaki氏のドラムと彼女の歌声に乗せ、各々の感じ方で曲は進む。
変調したところで彼女が手拍子を仰ぎ、オーディエンスがそれに応える。
さらにそれを煽るかのように弾むドラムラインと、全身でリズムを取らざるを得ない軽快なテンポの『ログマロープ』が始まった。

「あなたと私のギリギリの勝負だ！」

間奏で彼女が再び手拍子を仰ぎ、オーディエンスとの一体感は最高潮に達した。
本日の大阪の予想最高気温は３６度らしいが、彼女の汗ひとつ感じさせない涼やかな表情とは裏腹に熱い歌声が観客の熱とシンクロし、『ジャイガ』の幸先を祝福するような素晴らしいアクトであった。

「良い一日を！」
弾けんばかりの笑顔と共に、華々しくトップバッターの役目を果たした。

Writer SPICE WORKS. MIYABI、Photo HOSHINA OGAWA