サウンドチェックのためにライブ開始前にステージ上に現れ、バンドメンバーと共に歌声を披露するサプライズがあったシンガーソングライター、藤原さくら。その歌声に誘われるように人が集まるも、「14時15分に始まります。お願いします」と一度、ステージをあとに。その数分後、拍手と歓声で出迎えるオーディエンスの前に再び登場。自身がヒロイン役として出演した月9ドラマ主題歌でありファーストシングルの『Soup』で幕を開けた。

麦わら帽子に白をベースにしたワンピース姿とあって、男性だけでなく女性オーディエンスからも「可愛い！」の声があがる中、軽快なポップチューン『SPECIAL DAY』、ジャジーテイストな『Cigarette butts』を続けて披露。そのキュートなルックスとは対照的な、魅力的なスモーキーな歌声と広大な空間に映える広がりのあるサウンドで集まった人たちを魅了していく。

思い思いに体を揺らすほど心地よい音楽を届けてくれていた彼女だが、MCでは天然(？)が炸裂。ステージ前方に広がる海を目にし、「すごく良い景色ですね。海？　これ何ですか？　川じゃないよね？」とまさかの問いかけでオーディエンスを笑わせる一幕も。そんな出来事を挟みつつ、「少しでも涼しい気持ちになれれば」と『Just one girl』へ。ただ、これがいいクールダウンになり過ぎたのか、「盛り上がっていきますか？　……みんな元気がないぞ。(この暑さでは)それはなくなるわな(笑)」という状況になっていたが、エレキギターを響かせたロックテイストの『Necklace』で、会場を盛り上げてみせた。

バンドメンバーの紹介を交え演奏したラストナンバー『「かわいい」』まで、その魅力的な歌声とサウンドは、オーディエンスの一服の清涼剤になったに違いない。

Writer 金子裕希、Photo Shingo Tamai