WEST GIGANTIC CITYLAND 2017 ジャイガ

yahyel

悠久の闇に溶け込む甘美でアートな圧巻のパフォーマンス

8/5 SATCOAST STAGE

辺りはすっかり闇に覆われた時間帯、初日のコーストステージの大トリとして登場した、yahyel。パラパラと降ってくる雨粒のひとつ一つまでもが、その世界観と共鳴しているような幻想的な雰囲気の中でスタート。

あえて明るい照明は当てず、メンバーはステージバックに投射されるアブストラクトな映像と一体になって進行していく。生のドラムやシンセの音が変幻自在のビートとグルーヴを生み出す中、身体を揺らして音楽に溶け込むように歌うパワフルで官能的なボーカル。

『Small Talk 』『The Flare』と、冒頭から数曲は、その圧倒的なパフォーマンスに息を飲みながら見入ってしまった…。

MCでは、「アジカンの真裏、yahyelに来ていただいてありがとうございます。記憶に残ることをやってやろうと思います。アジカンの次、行こうぜ!」(池貝/vo)と、意志のある言葉を発信。

中盤あたりから、『Rude』『Once』と、少しクールダウンさせながら冷たくも熱い独特の感触で、より深淵な世界へと引き込んでいく。“ディストピア”と形容されることもある彼らの楽曲はダークなトーンに覆われつつも、ディープな闇の奥から発光する神秘的なパワーを感じずにいられない。それは人間が原始から宿す生命力のようでもあり、無限の可能性に満ちている。

そして、この日の終幕に奏でられたのは『Why』。ソウルフルに情感を帯びたボーカルのファルセットが漆黒の闇の向こうへと甘美に響き渡っていった。近くの観客から聞こえてきた、「ヤバイ…」の声。彼らはどこに向かうのか? その先が一緒に見たくなる、絶望から希望へと誘う新しい音楽の力を真夏の夜のコーストステージで実感させてくれた。

Writer エイミー野中、Photo Shingo Tamai


INFORMATION ・・・
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