紫から濃いブルーへとつながるグラデーションの空。時計の針が午後7時25分を指したとき、SUPERNOVA STAGEをLAMP IN TERRENが温かなカラーに染め上げていく。「この時間の野外で、この曲をやるのが夢でした」(松本／vo&g)と、奏でるは『緑閃光』。松本と大屋(g)による表情豊かなツインギター、太く、でも温かみあるリズムを爪弾く中原(b)、そして生命力ある川口(ds)のドラミング…。音に、リズムに、これほどまでに人肌の温みを感じさせるバンドは、彼らをおいて他にはない。何より、誰にも似ていない、松本大だけが持ち得たその歌声は、一言発するだけで大きなイマジネーションをもたらす類まれなる力を感じさせるのだ。じっくり横揺れで、一音すらも漏らすまいと耳を傾けるオーディエンスの姿も、これまた彼らのステージならではだ。瞳までかかる髪を揺らして歌う松本は、時折その隙間から笑顔をのぞかせるのだから、見ている方がうれしくなってしまうほど！

2曲目の『Innocence』では、じわじわ会場に雨がパラつき始める。普段なら残念な気持ちになりそうなところだが、そんな小雨すらも、テレンのステージにかかれば豊かな恵み。むしろ必然と思えるほど、雨が彼らの音像を美しく引き立てていく。「僕らにとって大阪は大切な場所。そんな場で新しく生まれた『WEST GIGANTIC CITYLAND』。初開催で、しかもトリに呼んでもらえるなんて、とってもうれしいです。加えて僕らにとって憧れだった野外での夜のステージ、今日初めて夢が叶えられた特別な日になりました」と、続くは『涙星群の夜』を。

どこまでも豊かに伸びるボーカル。魅入られたように音に揺れていたオーディエンスも、徐々に拳を握り、どこまでも高く突き上げていく。高揚感のグラフは右肩上がりのなか、松本はエンディングへ向け、ハンドマイクへとチェンジ。「今日という日が特別な日なら、今日という日が魔法の日なら。未来の自分が思い返したとき、必ずここに繋がってくるはず。飛び跳ねたり、身体バキバキになるまで自由に踊りましょう！」(松本)。と『地球儀』でフィナーレへ！　強さを増す雨にも爽快感すら覚える心地で、松本もステージ中を軽やかに跳ねる跳ねる！

「もっと来てください、自由に！」(松本)。強靭な扉を開け放つような解放感いっぱいに、この日一番の明朗な音を届けてくれる彼ら。ラスト、めいっぱい両手を広げてオーディエンスの思いを受け止めようとする松本に、立ち会ったこちらも枯れるまで声を届けたくなる…そんな共に創り出す気持ちをもたらしてくれたLAMP IN TERRENのステージで、SUPERNOVA STAGEの初日が幕を閉じた。

Writer 後藤愛、Photo HOSHINA OGAWA